「思いを馳せる」という表現は、懐かしさや哀愁を感じさせる場面でよく使われる言葉です。
この記事では、「思いを馳せる」という言葉の意味、使い方、類義語、英語などについて詳しく解説していきます。
「思いを馳せる」の意味・読み方
「思いを馳せる」は「おもいをはせる」と読み、「遠い存在や距離的に離れている人・物事に思いを募らせる」という意味があります。
また「思いを馳せる対象」には、現実的に離れている人・物事だけでなく、過去の思い出や未来も含まれます。
「思いを馳せる」の言葉の意味を解説
「思いを馳せる」の「思い」は「思う」という動詞からきています。
また日常会話では馴染みがない「馳せる」という言葉には、「走る」「走らせる」「遠くまで至らせる」という意味があります。
つまり、「思いを馳せる」のもともとの意味は「思いを遠くまで至らせる」ということになります。
「思いを馳せる」使い方・例文

「思いを馳せる」の正しい使い方について、例文も合わせて解説していきます。
「思いを馳せる」とは、「遠い存在や距離的に離れている人・物事に思いを募らせる」という意味でした。
この場合の「遠い存在・距離的に離れている」というのは、「物理的な距離」でも「時間的な距離」でも構いません。
例えば、日本と海外のように物理的に離れている人や、過去や未来の物事にも「思いを馳せる」を使用できます。
「思いを馳せる」の正しい使い方について、例文と合わせて解説していきます。
遠く離れた人に対しての使い方
- 離れて暮らす両親に思いを馳せる
- 被災地の人々に思いを馳せる日々だ
「思いを馳せる」は、遠く離れている人を思うシーンでよく使われます。
個人の心情なので、その人が遠いと感じているのであれば「思いを馳せる」と表現できます。
過去の出来事に対しての使い方
- 写真を眺め、過ぎし日々へ思いを馳せる
- 昔住んでいた街に思いを馳せている
「時間的な距離」がある過去の思い出や、久しく合っていない人に対しても「思いを馳せる」が用いられます。
未来や想像に対しての使い方
- 星空を見上げ、宇宙の神秘へ思いを馳せる
- 海外に移住する夢に思いを馳せる
- 絵画に描かれた異国の地に思いを馳せる
- 彼女との未来に思いを馳せる
未来や想像に対して「いろいろと想像し、思いを募らせる」シーンにも「思いを馳せる」を使用することができます。
「思いを馳せる」の類語・言い換え
「思いを馳せる」はロマンチックなシーンに合う美しい言葉ですが、使うシーンが限定されることもあります。
例えば日常的な会話の中では「思いを馳せる」という言葉はほとんど使いませんし、使ったとしても違和感を感じることが多いですよね。
そこで「思いを馳せる」の類語をいくつかご紹介しておきます。
【1】思いを募らせる
「思いを募らせる(つのらせる)」とは、ある物事や人に対する思い(愛情、恋心、心配、期待など)が、「時間とともにだんだんと強くなっていく」という意味です。
「思いを馳せる」に比べると対象への思いが強い場合、さらに思いがますます強くなる時に使う表現です。
遠距離恋愛の恋人への思いを募らせる
【2】思いを巡らす
「思いを巡らす(めぐらす)」とは、ある物事や人について「様々な角度から深く考えたり、想像を膨らませたりする」という意味です。
ロマンチックなシーンで「思いを馳せる」に対して、日常会話など単純に物事をあれこれ考えるシーンで使う方が適切です。
試験の合否に思いを巡らす
「思いを馳せる」の英語表記
「思いを馳せる」という言葉は、日常生活やビジネスシーンにおいて英語で表現するケースもあります。
英語表記【1】think about
「思いを馳せる」の英語表現でよく使われるのが「think about ○○」で、「~について考える、思う」となります。
「think」は「考える、思う」という意味の動詞、「about~」は「~について」という意味の前置詞です。
例)I’m thinking about my friends abroad.
外国にいる友達のことを考えている
英語表記【2】one’s thoughts go to
「思いを馳せる」の英語表記で、もう一つよく使われるのが「one’s thoughts go to」です。
こちらは「think about~」よりもフォーマルな表現となり、親しい友人同士の会話で使うことはほぼありません。
そのニュースを聞いて、被災した家族たちのことを思う
あなたとあなたの家族のことを思っています
「思いを馳せる」と「想いを馳せる」の違い
「思いを馳せる」の他に「想いを馳せる」という言葉がありますが、違いはあるのでしょうか?
どちらも「遠い存在や距離的に離れている人・物事に思いを募らせる」という意味なので、この2つの言葉は同じであると解釈することもできます。
ただ、違うとすれば「思い」と「想い」の違いです。
「想い」は憧れや愛情を持ち、対象をイメージして考えると言うニュアンスがあります。
これに対して「思い」は対象やシーンを選ばずどんな場合にも使えるので、汎用的な表現です。
以上のことから「想いを馳せる」の方が、よりロマンチックな意味合いが強い表現と言えます。
まとめ
「思いを馳せる」という言葉の意味や使い方について詳しく解説してきました。
「思いを馳せる」は、遠くに感じる存在や物事などに対して使う言葉で、過去・未来関係なく使える表現です。
言葉に上品さや詩的な美しさがあるため日常的に使う言葉ではありませんが、その意味を理解しておくことで、小説や文芸作品の理解度がさらに高まると思います。